歯周病と全身疾患
2024年12月20日
歯周病は全身にも広く影響をおよぼします。
自覚症状がなくても歯科検診を受けましょう!
アルツハイマー型認知症
認知症の70%を占めるアルツハイマー型認知症は、アミロイドBというたんぱく質が脳内に蓄積することで発症します。
近年マウスを用いた研究により、アミロイドβは歯周病菌によって産生・蓄積されることが明らかになりました。
また、歯が抜けて噛めなくなることも認知症のリスクを高める原因となります。
動脈硬化
血管に流れ込んだ歯周病菌によって産生された炎症性サイトカインが血栓を作り、動脈硬化を誘発・悪化させる可能性があります。
動脈硬化が進行すると脳卒中や狭心症、心筋梗塞などの命に関わる病気に結びつくおそれがあります。
妊娠トラブル
歯周病になると、子宮を収縮させる作用がある炎症性サイトカインやプロスタグランジンが過剰分泌されます。特にプロスタグランジンは陣痛促進剤として使用されるほど子宮収縮作用が強いため、歯周病の重症化により早産・低体重児出産のリスクが高くなります。
骨粗しょう症
骨粗しょう症は全身の骨密度が低下する病気ですので、顎の骨に炎症が起こる歯周病にも影響が及びます。骨粗しょう症によって顎の骨がもろくなれば、歯周病の症状も悪化します。
メタボリックシンドローム
歯周病患者は肥満やメタボリックシンドロームになりやすく悪化しやすいことが明らかになっています。メタボリックシンドロームと歯周病は肩を並べるように同時進行し、様々な生活習慣病を引き起こします。
“万病の元”と言われる肥満を解消することはメタボリックシンドロームや歯周病の予防につながります。
誤嚥性肺炎
肺炎は日本における死因の第3位であり、その多くが歯周病を発端とする誤の性肺炎です。お口の中の細菌が誤のによって肺に入り込んでしまうことで引き起こされます。
心臓病
心臓まで達した歯周病菌は血管壁に炎症を起こし、狭心症や心筋梗塞の引き金となります。実際に動脈硬化の部分からは多くの歯周病菌が発見されています。また、細菌が心臓弁に付着すると感染性心内膜炎の発症リスクも高まります。
糖尿病
歯周病は糖尿病の6番目の合併症と言われるように、糖尿病になると歯周病が発症・進行しやすくなります。反対に歯周病が進行すると血糖値を下げるインスリンの働きを妨げ、糖尿病を悪化させる悪循環が生じます。
歯周病の治療をすることで
血糖値が改善しやすいことが報告されています。
鈴木