口腔内細菌と大腸ガンの関連性
2022年07月2日
口の中の細菌は生まれつきのものではありません。お母さんのお腹の中にいる胎児の口の中はほぼ無菌状態で、分娩や授乳で口の中に細菌が住み着きます。
以降、離乳食や大人との接触などにより、生後6ヶ月頃には劇的に変化し増加します。
そしてその細菌は驚くほど保護者のものに似ていることが知られています。
口の中の細菌は300〜700種と言われています。大腸ガン患者と健常者の細菌を比較すると、大腸ガン患者の唾液と便に共通して存在する特徴的な口腔常在菌が4種発見されました。この4種が大腸ガンの発生や進行に関わる可能性があることも分かりました。
さらに早期患者に比べ、進行大腸ガン患者の便に大量に存在することもわかっています。
予防の為にも、大腸ガンと関連する細菌を腸に定着させないように日常の口腔ケアと歯科定期検診が大切です。そして近い将来、唾液検査で大腸ガンのリスクがわかる時代が来るかもしれません。 江口